「それとも、家泊まってく?」


「へっ?」


なっなにを言い出すんだ、この人。


「そんな顔じゃ、帰れないだろ?」


「かっ帰れるもん」


慌てて立ち上がる。


「はは。反応おもしろっ」


「マー君のバカ」


からかうなんてひどいよ。


鞄を引っ掴んで、愛人の家を出た。


「あっ、おじ様とおば様に挨拶するの忘れた」


でももう、いいや。


今日は、ものすごく疲れたから。


生まれてこない方がよかった。


誠さんの言葉が、頭に浮かぶ。