福田家の機嫌を損ねるわけにはいかない。


着替える前に、シャワーを浴びる。


熱いお湯を出して、少し汗ばんだ身体に頭からお湯をかける。


お風呂から出て髪を乾かしてると、ママが部屋に入ってきた。


「美結、やってあげようか?」


「うん」


ママにドライヤーを渡す。


「髪の毛、ずいぶん伸びたわね」


「そうかな?」


「うん」


ママは丁寧に、私の髪の毛を乾かしてくれた。


「結ぶ?」


「いい」


「いいの?愛人君に会うのに、おしゃれしなくても」


「何言ってんのママ!」