「じゃあ、ママが断りの電話してくるね」


そう言って、ベットの隅に座っていたママが立ち上がった。


「待って、ママ」


ベットから起きあがって、ママを止める。


「やっぱ行くから」


「美結、無理しなくていいのよ」


ママが心配そうな顔して、私を見てくる。


「うん。でも、行く」


「そう。じゃあ、美結の好きなワンピース出しとくからね」


「ありがとう」


ママはにっこり笑って、私の部屋を出て行った。


愛人に会いたくない。


でも、行かなきゃ。


私と愛人の問題だけじゃない。


福田家は、パパのビジネス相手。