ヘタレ船長と二人の女海賊

思わずビビリ、頭を抱えてその場にしゃがみ込む俺。

しかしその背後で。

「?」

俺を斬ろうとナイフを振り上げていたガレオン船の船員が倒れた。

「腰抜け♪」

アンが可愛らしく笑う。

「うるせぇよ」

言いつつ、俺もニヤリと笑った。

こんな戦闘の最中でも、俺を守る事はキッチリこなす。

アンは勿論、メアリも、他の船員達も。

俺を一味の船長として信頼し、認め、尊敬してくれる。

そして俺もまた、仲間達を信頼していた。

ラカム海賊団は、きっと世界一の海賊になる。

そう確信していた。