ヘタレ船長と二人の女海賊

1720年8月、深夜。

ニュープロビデンス港に、俺は11人の仲間と共に潜んでいた。

それぞれの手にはピストル、カットラス、手斧、レイピア。

各々得意な得物を持って、建物の陰に身を隠す。

…視線の先にはガレオン船が停泊していた。

12門の大砲、頑丈な巨大な船体。

帆をたたんでいても、その姿は雄々しく威圧感さえ感じさせる。

「いいね…大航海時代の大物海賊が乗るに相応しい船だ」

闇の中、俺はニヤリと笑う。

いよいよガレオン船強奪の始まりだ。

「野郎ども、戦闘だぞ」

俺の言葉に、一味の仲間達は自信に満ち溢れた頷きを返した。