「今まで僕を騙してたのか?」

家路を歩きながら愛と電話していた。

「だって、まさか女子高生だなんて言ったら
相手してくれないと思ったから。」

「けど…。」

「あたしのこと、嫌いになった?」

「そんなはずないだろ。」

「じゃあ別にいいじゃん。
 あたしは現役女子高生だったって事で。」

「けど…もしばれたりしたら…」

「ばれても問題無いよ。
 あたしたちは啓が先生になる前から
 付き合ってたんだし。」

「う…うん。」

「啓ってほんと弱っちだよね。
 男だったらもっとびしっとしなよ。」




いつの間にか、僕が怒られる
形になっていた。



「はい…。」

「じゃあ、また明日。」

「うん、また明日な。」


「おやすみ…先生。」


からかうようにそう言うと
一方的に切られた。









「はぁ…。」


ちょっと心残りになりながら
もやもやしてると家に着いた。