危険なヒーロー

(放課後)


「さゆ、聞いてるーー?」
「あ、う、うん!?」

やば、ぼーっとしてた。

「あんた、」
「な、何?瑞希?」

「やっぱ、黒龍先輩のこと気にしてるんでしょ」

あたしは、
かなりの図星で、言葉も出ない。

「ねぇ、さゆが不良のこと嫌いなのわかるけど、
 それと、恋愛はちがうと思うよ?」

「瑞希・・・・」

わかってた
黒龍彰悟は、不良だけど
悪い人じゃないって

だって、
たすけてくれたし・・・・

「瑞希、あたし変なんだ。
 黒龍彰悟のこと考えたり、目で追ってたり」

「そう・・・。
 まあ、あんな人に告白されて気にしないほうが
 おかしいけどね」

「はは・・・」

そして、校門の前を通りかかった
その時、

「あ、きゅ、急用思い出したわ!!」
「は?」

瑞希の態度が急に変わった。

「じゃあね、さゆ!!」
そういうと瑞希は、校門の裏にいる誰かに
礼をして、
走って帰って行った。

「分けわかんない・・・。」

あたしは一人とりのこされた。

とりあえず、帰ろう・・・。
そういって、校門を通り過ぎようとした時
あたしは、呼吸がとまった。

「あ、やっと来たね」


瑞希、あんたこれを狙って・・・

「さっき、あんたの友達が、来たんだけど」

なんで、
なんで

黒龍彰悟がいるのーー!?


というか、なんであたしは
気付かなかったの・・・・・・?