* * *
落ちていく夕日を見ながら、
俺は、アイツのことを考えていた。
ネックレスをあげた時、
困惑してたのをみて、
ちょっと苛めてみたけど・・・
「苛めすぎた?」
「誰を、何が?」
「っ!?・・・結城か。
背後からでてこないでくれる?」
こいつは、工藤結城(くどうゆうき)
俺の不良仲間で、たぶん一番長く
付き合ってると思う。
親友とかいうやつ
「だって、彰悟さっきからぼーっと
してるんだもん」
結城は、俺が宮野さゆを好きなことを
知ってる。
「あのさあ、彰悟ー」
「何?」
「お前さゆちゃんとはどうなったんだよー?」
「どうもなってない」
「マジで!?」と言い、結城は熱弁し始めた。
「おれ、この前おまえがさゆちゃんとメアド交換
してたのみてたけど」
「見てたんだ、お前」
「あのさゆちゃんの目は、あきらかにお前に
恋してる目だった!!」
恋・・・?宮野さゆが?
「・・・・いや、俺1回ふられてるんだけど」
「そんなの、お前向きになってんのかも
しんねえじゃん!!」
俺向きねぇ・・・。
「お前、顔も頭もいいし、
なんで不良なのかわかんねえけど、
俺が女だったら・・・・
お前のこと好きになってた!!」
「いや、気持ち悪い・・・」
「なっ!? 失礼なやつ、」
今、気づいた。
結城は、なんとなく
宮野さゆと似てる
「俺って、つくづく
こういうタイプが好きなんだな」
いつの間にか、日は沈み
あたりはもう暗く
俺達、不良の世界になっていた

