危険なヒーロー


「なんか、無理してない?」
「え、」

無理、してるって?

「オレに対してなんか変っていうか」

変!?・・・かな。

「まあ、いいんだけどね。
 ちょっとおもしろくないっていうか」


うわ、なんか
気まずい感じ

「あ、あたし帰るね。バイバイ」
あたしは、
その場を切り抜けるように
黒龍彰悟から顔をそらした。

そして、振り返らずに逃げるように走った。


「ハアッ、つ、疲れた、」
公園の前であたしは、走るのをやめた
というか、体力がなさすぎて
もう駄目・・・・。

あたしは、公園のブランコに座り
もらったネックレスをつけた。

ハート型・・・

あたしは、ネックレスをもらった時の
自分が急に恥ずかしくなった。

素直に「ありがとう」と
言いたかったな

あんな、微妙な顔してもらったら
黒龍彰悟だって、「おもしろくない」って
言うよね。


あたしは、落ちていく夕日に

「ゴメン」といって、

ネックレスをきつく握りしめた。