危険なヒーロー


「あのー、なんでここにいるんですか?」
「あんたを待ってたから」

待ってた・・・って、
なんか後ろにちゃっかりバイクがあるし、

やっぱ、不良なんだ

「ていうか、なんで待ってたんですか」

あたし、たしかに昨日
あなたをふったと思うんだけど・・・、

「あー、うん。ちょっと気になって、」
気になって?

「あんた、今日廊下で辰哉と話してたでしょ?」
「あ・・・、」

見てたんだ、
いや、もしかして
キミを見てたことも、ばれてる!?

「そのことで、あいつになんか言われた?」
「なんかって・・・」


あたしは、黒龍辰哉のことを思い出す
「もの好きだよね」
「こんなのに惚れたんだ」

あ、なんか
むかついてきた


「な、生意気だったかな」
「フッ、」

は、鼻で笑われたーー!?
何この人!!

「あんたって、おもしろいよね」

あたしはおもしろくないです。

「あいつ、口悪いから。
 ちょっと気になっただけ」
気になったって、
こっちはもっと
気にしてるよ

あなたのこと


「それと、メアド欲しいんだけど」
「だれの?」
「あんたの」


メ・ア・ド!?
えええぇぇぇえええええ!?

って、
なんかあたし喜んでない?

特に断る理由もないし、
メアドくらい
いいよね?
そう心の中で、自分に言い訳している
あたしがいた。

自分でもわからない
なんで、断らなかったのか
いや、わかりたくなかった
だけかもしれない


黒龍彰悟を
   
完璧に意識していることを