「えっと、改めまして、ようこそ美月寮へ。えっと、実はこの美月寮は、別名ホスト寮と呼ばれていて、選ばれた人しか入寮できない特別な寮なんだ。」

言いにくいことなのか、苦笑いしながら金沢先輩が話しだした。


って…ホスト寮!?何!?ホスト寮って何!?

「うるさい!」
黒川先輩が怒鳴った。

すごい怖い…。この人怒らせないようにしよ…。
てか私、心の声口にだしてたんだ…気をつけよ…。


「鈴ちゃんがこうなるのも仕方ないよ。もっと詳しく説明するとね?成績優秀、スポーツ万能、容姿端麗と認められた人しかここには入れないんだ。そして僕ら、美月寮メンバーには仕事がある。」
「仕事?」
「そう。放課後、美月寮専用の建物で他校から来る女子生徒に癒しを与える。それが僕らの仕事。」
金沢先輩はにっこりと笑った。

「故にここはホスト寮と呼ばれている。そしてこの寮のメンバーは生徒内で最も強い権力を与えられる。生徒会と並ぶほどな?」
黒川先輩は眼鏡をあげながら妖しい笑みを浮かべて言った。
なんか黒いな…。

「でもたまに生徒会より強くなるよ?それにここだけ特別に建物あるし寮の格も違うし。」
私の2こ隣でケーキを食べていた小柄な人が言った。
この人…本当に高校生?中1ぐらいに見える…。いや、小学生?
「杏介は黙ってていいから。」
金沢先輩は笑いながら言った。

「まぁとりあえず、今はこのくらいにしておこう。俺は出かけるから、お前達は自己紹介でもしていろ。晴輝、お前が皆をまとめろ。」
そう言って黒川先輩は出て行き、それに続いて金沢先輩も『予定がある』と出て行った。