私は今日あった出来事をイオに事細かに話しました。


「それで彼の名前は?
クラスもわからないの?」

「全くわかりません。」


だってあの時、私は本当に死ぬかと思ってたのですもの。

そんなことを聞く余裕はありませんでした。


「それじゃあお礼も言えないじゃない。」


私は黙って頷きました。

もう一度会って、きちんとお礼がしたかったのに・・・。


けれどもうお礼なんて二の次。


彼に会えれば・・・。






あれ?




あれれ?





「イオ、私もしかして・・・。」



「何?」










「恋をしてしまったのかもしれません。」