久しぶりに桃色の着物に身を包み、厳かな雰囲気の漂うそこへと向かいます。


そことはこの辺りでは最も大きな茶道会館。
催しはそこで行われるのです。

茶道界で名を馳せる懸高奨造氏が主催する茶会にお呼ばれをしたものですから、断るのは失礼とこうして赴いた所存です。


大きなホールのような場所に集まった大勢の人々。
政界で活躍する方々や、メディアでよく見かける方々、そして海外の著名人まで多くの有名人がいます。

その中に彼女もいました。


「マコ!」


私が振り向けば、そこにはイオと懸高氏の姿が。


「ご紹介しますわ。こちらが私の友人ですの。マコ、この方が懸高おじ様よ。」


私はにっこりと微笑みます。


「お招き有難う御座います。
このような場所に居合わせることができて、大変光栄ですわ。
懸高様のお噂はよく耳にしています。」


懸高氏は満足そうに笑い、イオの腰に手を回しました。


「何、たいした茶会では無い。こんな小規模なもので申し訳ないくらいだよ。」


そう言ってニタニタと笑う懸高氏の笑いは、酷く下品に見えました。
その上下心が丸見えで何ともいやらしい。


「おっと、そろそろ時間かな。」


そう言うと名残惜しそうにイオの腰に回した手を離し、懸高氏はホールの前の方へと行きました。


「イオ、私あの方大嫌い。今すぐ抹殺して差し上げたい気分です。」


私はつい怒りを露にして言ってしまいました。


「今日で全て終わる筈。抑えて、マコ。」


そして私たちの元に三人の男性がやって来ました。


「イオ、マコ、シーナ、トラ、覚悟はいいな?」


サボの言葉に、私たちはゆっくりと頷きます。




「さあ、奴をぶちのめそうぜ。」



勝利を勝ち取る為、私たちは意を決して一歩踏み出しました。