「あれ?先客?」


私は首だけを動かし、入り口に目をやりました。


「君、どうしたの?すっごく顔色が悪いけど・・・。どこか具合が悪い?」


私はこくりと頷きました。

貴方は冷静かつ適切な対応で私に接してくれます。


「医務室には行かないの?行った方がいいんじゃないかな?」

「先程行ったのですが、担当の先生がいらっしゃらないみたいで・・・。」


冷や汗をかきながら私は必死に答えました。

なんだか貴方には失礼な対応をしてはいけない気がしたからです。


「ああ、そう言えば担任の先生がそんなこと言ってたっけ。
でも医務室に行った方がいいよ。
きっとベッドで眠ったらよくなるからさ。」


私は貴方の言うとおりにしようと頷きました。


「じゃあ少し待ってて。
先生に頼んで鍵、開けてもらうから。」


そう言って貴方は図書室を出て行きました。

貴方が去ってしまい私は言いようも無い不安に包まれ、じっと吐き気と戦っていました。