猫とうさぎとアリスと女王

 長い長い夢を見ていました。

池の底に沈むような夢。
あれは沼だったのかしら?それとも川?

水の中に体が沈む夢を、見たような気がします。


空から水の中に光が差し込み、きらきらと眩しくて。

私の吐く息が気泡となって上に消えて。



体はふわふわと宙に浮いたよう。

気持ちよくて、でも苦しくて。





私はゆっくりと目を覚ましました。

真っ白な天井。
妙な規則的な電子音。

腕には点滴が打たれていました。


ああ、そうでした。

私、頭を鉄パイプで殴られたのでした。
まだ少し痛みを感じます。


ふと横を見ると、そこには私の手を握り締めたシーナがいました。


ずっとこうやっていてくれたのでしょうか。
私が眠っている間、ずっと。


するとシーナが目を覚ましました。