猫とうさぎとアリスと女王

 私はサボに駆け寄り、縛りついていた紐を解きにかかりました。
サボは涙を流しながら俯いています。


「面目ねえ・・・面目ねえ・・・。マコ、悪かった・・・。
本当にご免・・・。」


サボってこんなに泣き虫でしたっけ?


「謝らなくていいですから。
もう警察に連絡しましたし、貴方が狙われることはまず無いでしょうから安心してください。」


私が後ろを振り向くと、丁度トラの相手も片づけが終わったようです。
なんだか昔を思い出しますわ。

あんな風に誰が何人倒すかを分担したりしたこと・・・。


「姐さん、俺ちょっと外の様子見てきますね。
警察が来てるかどうか見てきます。」


そう言ってトラは倉庫の外へと行ってしまいました。


「もう・・・このロープ、結び目が固くて中々解けませんわ。」


私が結び目と奮闘していると、サボが突然大きな声を上げました。






「マコ!危ない!!!」




はっとして後ろを向けば、そこには鉄パイプを持った男が一人。


時既に遅し。



気付けば鉄パイプは振り下ろされ、私は頭部に鈍い痛みを感じ、そのままゆっくりと倒れました。

薄目を開ければ、目の前でサボが私の名前を叫んでいます。



そうして私はゆっくりと意識を手放したのでした。