猫とうさぎとアリスと女王

 お気に入りのワンピースも、ミニハットも、ソックスも、全てを犠牲にしてでも私は貴方を助けたかったのです。

お洋服に代わりはあっても、貴方の代わりはいないのですから。


「何ごちゃごちゃ言ってんだクソガキ!
おい!やるぞ!」


サボを囲んでいた男たちが私の方へ向かってきます。


「姐さん、俺が三人やります。二人、お願いできますか。」


倒すべき人間は五人。
トラが三人、私が二人。


「上等ですわ。」


そう言うと男たちがかかってきました。
持っているのは鉄パイプでしたから、大した敵ではありません。

最初は自分の腕が鈍っているかもしれないと不安に思いましたが、一人を蹴り飛ばした瞬間に確信してしまったのです。


私、腕が全く鈍っていない様子。


まずは一人の顎下を蹴り上げ、よろけた隙をついて手を蹴り飛ばします。
すると鉄パイプは彼の手から離れ無防備な状態に。

とどめの一発に腹部に蹴りを入れてお仕舞い。
これで残りは一人。


ちらとトラを見れば、トラも順調に敵を倒している模様。


私は安心してもう一人の敵に飛び掛ります。
すると男は懐から銃を取り出しました。


「お譲ちゃん、近づくとこいつをぶっ放すぜ。」


この男、私がそんな物でびくつくとでも思っているのでしょうか?


「あら?安全装置がついたままですわよ?」

「えっ!?」


その瞬間、私は男の頭部に思い切り蹴りをお見舞いして差し上げました。
男は吹っ飛び、倒れ、その衝撃で手から銃が離れました。


「ごめんあそばせ。その銃に安全装置は無くってよ。」


嘘をついてしまいました。


私っていけない子。