部屋着に着替え、シーナに購入してもらった服を出しながらぼんやりとしてしまいました。
なんて楽しい時間だったのでしょう。
それが今では泡のようにはじけ、跡形も無くなってしまいました。

迷いに迷い、私はこのお洋服を自室に飾ることに決めました。
トラに頼んでトルソーを一つ寝室に運んでもらい、そこに洋服を着せていきます。


Innocent Worldのショコラのロリヰタ服。

それを見ていると何故だか悲しくなってきました。
未練がましくつけている薬指の指輪。

外してもいいのですが、私にはそんなことはできませんでした。



 シーナは学校には来ませんでした。あの秘密の場所にも。

それにイオは未だ会合で不在、その上サボまでもが無断欠席。
私は毎日一人ぼっちで時間を持て余していました。

シーナ、元気かしら。

心配でたまらないのですが、シーナの家に行く勇気はありませんでした。
またあんな風にされたなら、私は今度こそくじけてしまいそうだったからです。


すると私の携帯電話が鳴りました。

ディスプレイには“サボ”と表示されています。
メールを見てみると、そこには有り得ない内容が書き連ねられていました。


“ヨーグルト買って俺んち来い”


頭には疑問符が浮かぶばかりでした。

私は仕方なくトラに頼みヨーグルトを大量に購入してもらい、サボの家へと向かいました。