王子様との出会い以来、私は彼を見たことはありませんでした。


名前を聞いておけばよかった。

せめてクラスさえ聞いておけば・・・。


何度も何度もそう思っては後悔をするばかり。
イオにも協力してもらってはいるのですが、未だ手がかりは掴めず。


私の恋の病は悪化する一方でした。





 しかしいつもと変わらぬある日。


私はいつも通り授業を受け、昼食を摂り、帰宅する準備をしていました。


この日はイオが所属する華道部の活動があったので、私はそれが終わるまで図書室で暇を潰していました。


華道部は毎週水曜日と金曜日がお休みで、それ以外の曜日は活動があるのです。



時計の針が六時を回ったので、私は華道室へと足を運びました。