誰かまともな常識人はいないものかとあたりを見渡すと、窓のところに寄り添っていた陸さんと目が合った。



おぉ!!ここに常識人がひとりいたわ!!
私は今日からアナタを、天使もしくは女神と呼びます!!



助けてくれ、と目で訴えてみる。すると、陸さんは壁から離れてこっちに近づいてきて、ひと言。



「入れ」


「え゛ッ!!」


ほんとうに一言だけ言った。



彼は、天使でも女神でもなく・・・悪魔だった。





悪魔に逆らうことのできないのが、愚民のサダメで。



結局は、自分の名前を書くことになってしまった。





きっと陸さんは、影の王だと思う。




結果――――

この生徒会に常識人は、ひとりもいない――ーー。