さらに一時間ほどたったとき、愛のケータイが鳴った。

「優からだ…。
もしもし?」

「あ…い…」

電話先の声はかすれていた。

「何?泣いてるの?」

優は泣いているようだ。
鼻をすすりながら、かすれた声を必死に出そうとしていた。

「あ…いっグスッ
あた…し…ぅぇ…」
「優、今どこにいるの?」
今、優は柳駅南口のトイレにいるようだ。
何があったかわからないが、急いで行くと言い電話を切った。
「あんたも来なさいよ!」
和人に一言言い放ち、走りだした。


「優!」
トイレに入り、大声で優を呼ぶ。