「ねぇ。ご飯三人分あるんだけど…」

机のうえに用意されている豪華な夕飯は、どう見ても三人分だ。

お兄さんが帰ったあと、どうまわりを見渡しても二人だし、他に人が来る様子も
ない。

「あぁ。間違えた」

そう言うと、椅子に座り、夕飯を食べだした。

間違えたって何?二人分なのを、間違って三人分って言ったの?和人、変…。


「愛?食わねぇの?」
「え?食べる食べる!」

基本的に好き嫌いがない愛は、見事に一人分をたいらげた。
和人は…半分ぐらい食べてある。
そんなに小食だったのだろうか。