なんでいるのだろう。
もともと二人で住んでいたのかもしれない。

そこへズカズカ上がり込んでしまったのだろうか。

「なんでいんだよ…」

和人は、お兄さんにむかって言った。
と、いうことは、一緒に住んでいないってことなのだろうか。

一緒に住んでるけど、本当はいないはずの時間とか…。

「悪い悪い。まさか彼女連れてくるとは思わなかったから。すぐ出てくって」

あきらかに不機嫌そうな和人は、無言でソファにカバンを置き、いつものように
キッチンへむかった。

愛は兄に挨拶をしようと思ったが、もう姿はなかった。