長い長い追試時間が終わった。
終わった人から退出できたが、できるだけねばってみた。

「終わったのかよ」
校門を出ようとしたとき、後ろから声をかけられた。

振り向けば、和人が立っていた。
今日は運転手はいないみたい。

愛はゆっくりと頷いた。

「寄っていけよ」
そう言うと、和人は歩きだした。


和人のマンションに着くと、すでに夕飯の用意がされていた。

二人分ではなく、三人分…。

「よう。帰ったか」
お風呂場からバスローブ姿で出てきた男性。
見覚えがあった。
和人の兄だ。