トイレの一つの扉が少しずつ開いた。

「優!?」

中をのぞくと、着ていた服は破かれ、頭から水をかぶったように濡れていた。

「愛…ぅゎーん!!」
優は愛に抱きついた。

徐々に愛の服も濡れていくのが分かった。

「優、何があったの?泣いてちゃわからない!」

抱きついたままの優は泣き続けた。

「和人…」

後ろを振り向くと、和人はどこかに電話しているみたいだ。

とりあえず、トイレで座り込むにも汚いし、人目もあるので場所を移した。
南口は裏口のため、一本道をそれると誰も歩く人などいなかった。