「ううん、なんでもない」 「言えばいいのに」 「いいの。すごく下らないから」 「あ」 「え?」 「ネオカラー」 ネオは小さく呟いて、続けた。 「おれらの名前あわせたら、 新しい色って意味になるね」 「おんなじこと、考えたの」 「あはは。いいね、ネオカラー」 「そうだね」 「きっといい色だよ」 「そうなのかなぁ?」 強く風が吹いて、桜の花弁が 力尽きて空に舞う。 予鈴が遠くで鳴った。