振り返ると、彼がこっちを見て 微笑んでいた。 「もしよかったら、紅茶を飲み ながらでも名前を教えてくれない?」 ビーカーの中では透き通った 色のついた液体が揺れていた。 ざぁっと、外で風が吹いて 窓から部屋に入ってきた。 桜の花びらが数枚、 舞い込んできた。 嗚呼、綺麗だな、 純粋にそう思った。