ヒメ恋~Eternal Love~

ゆっくりとベッドの上に体をおろされたあたし。


海里もあたしの隣に座って、あたしの肩を自分の方へと引き寄せる。


「美海……」


ズルイよ…そんな声で呼ぶなんて。


あたしの涙はもう収まっていた。


「さっきの話の続き…していい…?」


「ん?あぁ…里海を妊娠した時のことだろ?」


「うん…あたしね…素直に喜べなかった…愛する人の赤ちゃんなのに…」


「美海……」


海里があたしの体に腕を回して優しく抱きしめた。


「だって…誰もこの子の誕生を喜ばない…。

むしろこの子が生まれることで…失うモノが増えてしまうんじゃないかって…」


海里の結婚の妨げ。


一條家と栗原家の関係の崩壊。


父親の存在を一生隠し通される我が子。


幸せの要素は何1つとして浮かんで来なかった。