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けど、それよりもリーグの心を、そして僕の心を輝かせる人が現れた。
「お父様。そちらの方たちは?」
長く碧い髪、瞳。すらりと伸びた手足。どれをとってもこの世のものとは思えない。気分は大きな宝石を目の前にした時の現実感のなさ、それに似ていた。彼女は美しすぎるのだ。
「おぉ、アイワイ。ちょっと訳あってな、一週間ほどだが、ここで働いてもらう事になった・・・。」
「リ、リーグです。」
驚くほど、リーグの挨拶は早かった。
「イバーエです。よろしくお願いします。」
遅れて、僕が挨拶した。
「アイワイ・エーマリリスです。短い間ですが、こちらこそよろしくお願い致します。」
たった数秒の中に、品の良さ、育ちの良さが感じ取れた。僕とは違う世界の人だ、そんな風に思った。
「それでは、私は失礼致します。」
とてもいい香りを残し、彼女はどこかに行ってしまった。
「うわぁ、綺麗な子だなぁ。」
素直にリーグは言った。
「そうだろ、そうだろ。何せ、わしの一人娘だからな。わしに似て美人だろ?」
娘を褒められて、悪い気がする親はいない。エーマリリスさんは、満面の笑みを浮かべている。
ただ、似ているかと言われれば微妙だ。エーマリリスさんは、僕にとって憧れの人だけど、決して格好いい方ではない。太めだし、ブ男の類に入るだろう。僕は答えに困った。