<あれが欲しい。あれが欲しい。あれが欲しい・・・。>
繰り返した。これでもかって言うくらいに、欲しい気持ちを全開にした。気持ちは十分なはずだ。
「lot。」
・・・。
何も起きない。
少し待ってみた。
・・・。
やっぱり何も起きない。
「な、なんだよ。ダメじゃないか・・・。」
僕は落胆した。
それを見て、じいちゃんは笑っている。
「なんだよ、じいちゃん。何がそんなにおかしいんだよ。」
「いや、何・・・お前はどうやら勘違いしているらしいのでな。」
ムッとするのをやめ、じいちゃんの話に耳を傾けた。
「勘違い?」
「あぁ、そうだ。気持ちを強く込めるって、今、想いを繰り返したりしなかったか?」
「・・・うん、そうだけど・・・。」
「それじゃ、ダメなんだ。」
じいちゃんは首を振る。
「何がさ?」
「繰り返すと言うのは、想いを薄めてしまう。一回で想いをどれだけ凝縮できるか、それが重要なんだ。」
「凝縮・・・。」
ピンと来ない。けど、やるしかない。じゃないと、パウパウ堂の限定品は手に入らない。
<あれが欲しい。>
繰り返さない。たった一回だけ、それを想う。力を込め、想いを込めた。そのせいで、おでこに変なシワができたくらいだ。
「lot。」
僕は唱えた。