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晩ご飯の支度で、色んな家の煙突から煙が出ているけど、その煙だけは違った。まるで、大きな悪魔が村を見下ろしているような、とても気分が悪くなる煙が上がっていた。
「なぁ、あれって・・・。」
「普通の煙じゃないよね？」
リーグとエリシアは不安そうな顔をしている。
僕もそうだった。なんか嫌な予感がした。
「ごめん。ちょっと、先に行くね。」
「お、おい。イバーエっ。」
僕の耳には、リーグの声は届かなかった。それくらいに、必死だった。理由なんてない。とにかく急がなきゃいけない、そう思っていた。
僕たちの遊んでいる草原は、小高い丘の上にある。だから草原を出ると、村はすぐに見えてくる。でも、見えてくるだけだ。走っても、走っても、全然村に近づかない。焦り、何度か転んだ。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・。」
呼吸が荒くなる。胸は張り裂けそうだ。
それでも、僕は走り続けた。