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「すみません。」
「あの、聞きたいんですけど・・・。」
通り過ぎていく人たちに、とにかく声をかける。しかし、話を聞くどころか、立ち止まってもくれはしない。リーグは、さっき大きな鞄を持ったおばさんに、思い切り怒鳴られていた。

「何やってるんじゃ・・・。」
ため息混じりの声が聞こえた。振り向くと、そこにはエーマリリスさんがいた。
「エーマリリスさん、どうして・・・。」
「お前さん達を、ここまで連れてきてやったのは誰だと思っている。このわしじゃ。」
「えっ、あれって勝手に動くんじゃないの?」
どこにもエーマリリスさんの姿は見えなかった。それに中は狭かった。どこにも隠れるような場所はなかったはずだ。
「勝手に動くわけないじゃろ。それを気味悪い、気味悪い言いおって。言われるこっちの身にもなってみろ。凹むから。」
エーマリリスさんがいるってわかっていたら、そんな事は言わなかった。どうして、ブリアさんが何も言わなかったのか、やっと理解できた。
「そんな事言ったってなぁ。あれはないよな?」
リーグはまるで気にしない。僕は呆れた。
「はぁ、アイワイのやつ、こんな奴のどこがいいんだか。女の気持ちって言うのは、わしには本当にわからん。ほれ、アイワイからだ。直接渡すのは恥ずかしいとか言いおって・・・。わしの気も知らんと・・・。」
寂しそうな顔をしながら、小さな包みを渡した。
「なんだろう?」
躊躇なく包みを開ける。
箱を開けると、見た事のないものが入っていた。
玉虫色に光る液体とも、固体とも言えない不思議な物体。なんで、こんなものをくれたのか、まるでわからなかった。
「アイワイのやつめ。無理しおって・・・。」
エーマリリスさんは、これが何かわかったようだ。
「これって、なんなんですか?」
「言葉人形じゃよ。」
「言葉人形?」
「説明するより、やった方が早いわい。何かアイワイに向けて言ってみろ。」
エーマリリスさんに促された通り、リーグは語りかけてみた。