「おい、お前ら何やってるんだ。」
リーグが叫んだ。リーグはボアリソンを見つけた。けれど、肝心の店員が見つからない。なので、どうすればいいのか、それをアイワイに聞きにきたところだった。
「でへっ。」
黒ずくめの男が、リーグの方を向く。
ガマ蛙のような顔に、リーグは嫌悪感を覚えた。
<な、なんて醜い顔なんだ。>
それは表情にも表れていた。
「あぁ、お前、今、俺の事を気持ち悪いって思ったな。」
図星だ。何も言い返せない。
「あぁ、ムカつく。ねね様、先にこいつからいじめていい?」
「しょうがないね、単なるガキだ。一瞬で終わらすんだよ。」
「でへっ。」
れれはにやけた。
「少しばかりイカす顔しているからって、調子にのってるんじゃねえぞ。この特大呪文を喰らって、ぶ男の仲間入りしちゃいなよ。ジ・ゴ・エフス。」
「バカ、街中でそんな呪文使うなんて何考えているんだよ。」
ねねは止めたが、時すでに遅しだ。

れれの両手の間にこぶし大の火の玉が浮かぶ。それをなで回すように、手を動かすとどんどん、どんどん火の玉が大きくなってくる。
まるで炎の雪だるまのようだ。際限なく大きくなっていく。
「でへっ。こんなもんじゃすまないぞ。」
すでに大きさは、れれと同じくらいの大きさになっている。
<これってやばくない?>
リーグは戸惑った。アイワイを助けに来て、逆にピンチを招いてしまう。いいトコなしだ。
アイワイはその炎を見て、さらに動揺している。おまけにリーグから、かなり離れている。一緒に逃げるにしても、時間を要するのは確実だ。
<さて・・・どうしましょう・・・?>