「あの、お話中すみません。そのリストランテなんちゃらって・・・何なんですか?」
エーマリリスさんに向けてとも、ブリアさんに向けてともとれるような、曖昧な感じで聞いてみた。どちらか一方が答えてくれるだろうと考えての事だ。
エーマリリスさんは怒っていて、何も教えてはくれない。
ブリアさんが少し時間をおいた後、僕の元に来て教えてくれた。
「“リストランテ ボンボヤージュに向かう”と言うのはね、旦那様がお気に入りのリストランテに向かう為だけに作った乗り物だよ。それはもう、とても大きな車輪がついていてね、さながら陸の帝王と言った感じなんだ。」
「すごいですね。たった一箇所に行くだけの為に、乗り物を作っちゃうなんて。」
リストランテの意味は、相変わらずわからなかったけど、たぶん、言っている事に間違いはないはずだ。
「そうだろね。旦那様はとても裕福な方だからね。」
ブリアさんは自分の事でもないのに、何故か得意げだ。