きみのて

痛…くはないけど、なんじゃこりゃ?




怪しく思いながらも、紙を開いてみる。




“ サボり? ”




「何コレッ……っていうか誰?」




『ハハッ…』




入口付近の大きな本棚の向こうから、誰かの笑い声が聞こえた。




「だ……誰?」




でも、さすがに、誰か確かめに行く勇気はないから。




とりあえず、返事を書くことにした。




“ そうだよ。悪い? ”




初対面(おそらく初対面)の人に対しての言葉じゃないかもだけど…




もう一度紙を、若干強く丸めて、




さっき笑い声が聞こえた方に投げた。