恋めぐり

「何しやがる!」

「こっちの台詞!球根にどんな仕打ち!寒さに耐えきったと思ったら今度は遠回り?土からはい出た途端に力尽きるわ!」

急いで球根たちを助け出した。

土方くんが植えた球根は全部、下を向いていた。

「この毛がもしゃもしゃしてるのが葉っぱになるんじゃねぇのか?」

「小学校一年の理科からやり直して来てよ。これは根。これが土に伸びて、栄養を摂るの」

「そうなのか」

子供のように輝いた目で、私の手の中にある球根を見ていた。

「植えたことないの?」

「ない。剣道ばっかりしてたからな」

「植物の形は生物でもでるのに」

「生物は苦手だ」