恋めぐり

「私、剣道部のマネージャーでもなんでもない」

「じゃあ今日から入部な。マネージャーで、マネージャーがいなくて困ってたんだ。頼む」

頼むって言う割には態度が大きい。

「直江、来てくれたか!やっぱり女子がいると花やぐな」

藤堂くんがこっちに歩いて来た。

胴着を着ても漂うオッサン臭は拭えない。

「私、やるなんて言ってない」

「直江、頼む」

「メリットがない」