…シオは一瞬、苦しそうに唇を噛んだ。

のどぼとけが上下した。生唾を飲んだのがわかる。

「そんな可愛いこと言われちゃ……優しくできないよ」


……覚悟しろよ、那智……


その言葉を最後に、


「………ぁぁっ」

私はシオという波に溺れた。