シオの黒い天然パーマが……、風に揺らいだ。 その風に乗ってきたシオの香りは、初めて会った時からずっと変わらない、どこかノスタルジックなものだ。 私は自由になった右手を、シオの背中に乗せ、左手で頭を撫でた。 「私は、あなたのものよ」 恥ずかしさを隠すために、意地をはって毒づいたりするけど。 本当は愛してるのに、あなたの目を見てそう言えないけど…… そんな私でいいなら。 どんなシオでも、 ずっとそばにいるわ。