「……ご飯、来てるよ」 シオはなんでもない、という風に手を横にひらひらさせて言った。 仕種はいつものシオだけど、明らかに雰囲気が違う。 「もう7時なの?」 私はごまかそうとして、慌てて左手首を見たけれど。 そこに時計はない。お風呂あがりなのだから当たり前。 「長風呂、しすぎちゃったな……早く食べよ、シオ。」 私は立ち上がって、シオのTシャツの裾を引っ張って部屋の中に進もうとした。 「飯は後でいい」 「シオ?冷めちゃうよ?………きゃぁぁっ」 私は戸口で。 シオに押し倒された。