ゆっくりと湯につかり、 大きく息をつく。 いくらシオに強引になって欲しいと思っているとはいえ……あれは酷い夢だ。 ……欲求不満かな。 というか。 バスから夢だったとしたら。 シオは夢と同じように私を担いで旅館まで? なんてことをしているんだ、私は。 担がれても起きない、なんて。 そんなことが実際ありえるの? 温泉独特の匂いと、露天風呂特有の、湯と空気の温度差は本当に心地よかった。 けれど、私はいまいち、心からリフレッシュできたようには感じられなかった。