「ナチってば、いくら起こしても起きないから、ちょっと心配しちゃった……」


雨に濡れた子猫が向ける目に似た、心配そうな目を向けるシオ。


あ、本当に、いつものシオだ……


私はちょっとホッとして、シオを抱きしめた。


「ナチ……?」
焦った声色。
ああ、私のシオだ。
とっても、安心する。


私は心から言った。
「ごめん、もう大丈夫よ」