猫っかぶり彼氏。〜天然王子=俺様彼氏①〜




「ひゃぁぁぁ」


シオはひょいっと私を抱き上げ歩き出した。

右手は私の背中に。
左手は私の膝裏に。

これ、世間でいうお姫様抱っこってやつじゃ……


「やだやだ!恥ずかしい!シオの馬鹿っ!降ろせぇ!」


私はバタバタと暴れてみたけれど、シオには全く効いてないようだ。



「じっとしないと怪我するよ。それとも、この靴で歩く?」


いつの間に脱がせたのか、私の靴をシオが持っていた。
私の膝を支えている方の人差し指で、ストラップ部分を引っかけている。

無残に壊れた靴……


「でも、人の目ってもんが…」


「関係ないよ。俺らは俺らだ。むしろ、俺は世界中の人間に見せてやりたいけどね」