シオはもう一度大きくあくびをして、私の肩に頭を乗せ、あっという間に寝息をたて始めた。


今までシオの寝顔を見たことがない。シオはいつも、夜になる前に帰ってしまうから。


シオって、こんな顔をして寝るんだ……


私はシオの黒い天然パーマを、反対側の手でそぅっと撫でた。


「シオ……大好きよ。
今まで我慢させて、ごめんね」


シオの陶器のように滑らかな肌と、ふせられた長い長い睫毛を眺めながら、私はそっとつぶやいた。


「……愛してる……」


シオのふわふわの髪に、
私はそっと、自分の頬を
押し当てた。