……でも。


私が素直になれないのをカバーしてくれるのは、シオのこのユーモアなのだ。
ユーモア…もとい、天然……。


私はいつも、恥ずかしい時、素直になれない。

「好きだよ」
なんてなかなか言えないし、

「好きだよ」
って言われても、返せない。


そんな素直じゃない自分が嫌になって、一瞬表情を曇らせてしまう。

自分でもわかる。

バイト中なら、いくらでも自分の感情なんて隠せるのに、シオの前だと上手くいかない。


シオは私を笑わせようと計算しているのか、していないのか。
それは正直、わからない。

しかしそういう時にはいつも、何かのドジをして、私を笑顔に戻してくれるのだ。