ろくろ首の私と、いつものシオが並んで街を歩く姿を想像していると、シオの声がやけに大きく響いた。

「ナチ!!やっと来たね、この日が!」


シオは喜び勇んだのか、待ち合わせの時間よりだいぶん早く、私の家に到着した。


いつも、なんだかんだと理由をつけて30分は遅刻する、このシオが。


「わわ、ミニスカじゃないですか!珍しい!
っていうか、このイヤリングも見たことない!買ったの?」


シオはいつになくニヤついて、耳元で囁いた。


「ナチってばぁ、そんなに僕との旅行が楽しみだったの?」


「な……馬鹿なこと言わないでよ、たまたまよ、たまたま!」


素直じゃないなぁ、私。
『そうだよ!楽しもうね』って一言言えばいいだけなのに。

シオは何故か顔を赤くしてる。
私が不思議に思っていると。


「そんなヒワイな言葉連呼しなくても……たまたま、だなんてイヤン」


「ちっがう!」

それは新手のボケ?


普通、キスもまだの彼女に向かって、そんな発言する?