「お帰りなさいませ」


よかった。

さっきの喧嘩、シオだってバレてないみたい。


まぁ、たとえ顔を見られていても。


まさか、こんなひょろひょろ男が大男二人をのしちゃった、なんて思われないだろう。


「お部屋の鍵でございます、どうぞ、ごゆっくり」


シオがフロントに預けてた鍵を受け取り、

「さぁ、行こう」

私の肩を抱いた。


ふと振り返ると。


女将さんがウインクしていた。