シオの足音が聞こえた。
シオの足音は独特で、シオが近づいているのか、それとも他人なのか。簡単に聞き分けられる。

友達に同意を求めたら、『そんなのあんただけよ』って一蹴されてしまったけれど。


「ただいまっ!」
ほら、シオだ。

「お帰り〜遅かったね」


私はキッチンから声をかけた。盛り付けに手が話せなかったから。

今日は茄子のミートソースパスタ。ついでに言えば、茄子はシオの大好物。


−−昼ご飯、出来てるよ


早く食べて欲しくてそう言おうとした私に、彼は後ろから勢いよく抱き着いた。


シオは背が高いから、覆いかぶさるように抱き着く。正直、重い。



「ちょ、シオ、どうしたの?」



「すっごい、いい知らせだよ」

シオの目は輝いていた……、爛々と。