そんな関係になってから、早くも半年が過ぎようとしている。


シオはずっと、私に手を出してこない。


キスですら拒む彼女なんて、シオは不満だろうに。


私だって、そろそろいいかな、なんて思っている。


元彼のことは吹っ切れたし、シオともっと……深い関係になりたい。


でも……なんて言えばいいのかわからないけれど。
『きっかけ』がないのだ。


『キスして』
なんて言えないし、


『えっちしよう』
なんて口が裂けても言えない。



さっきみたいにジョークで迫られることも多々あるけど、シオは私が拒絶するとわかってやっている。


『ナチ、キスしていい?』
『いいわよ』

その一言さえも、恥ずかしい。



内気で照れ屋。
     オウサカ ナチ
それが私、相坂那智。