恥ずかしかった。とにかく。 雑誌を立ち読みしていた人も、 お菓子を見ていたカップルも。 その場にいた全ての人が私達を見ていた。 もう、いっそ奥に引っ込んでしまおうかと思ったくらいだ。 「僕は、本気ですよ」 そう言って、にっこり微笑むシオ。 私はその瞬間感じた。 この人は、元彼とは違うのだ、と。 吸い込まれるように、私は首を縦に振っていた。 思うに、あの店舗でお客様から拍手喝采を頂いた店員は、私が初めてだっただろう。